(写真 向かって左から順に)
セイコーエプソン株式会社 DE&I戦略推進部 課長 谷 泰仁様
セイコーエプソン株式会社 DE&I戦略推進部 東埜 友香様
セイコーエプソン株式会社 DE&I戦略推進部 大村 陸様
DE&I推進(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)を重要な経営課題のひとつと捉え、積極的に取り組まれているセイコーエプソン様。仕事と介護の両立についても、働きかたの多様化やリスクに備えるためのセミナーなどを実施されてきました。
今回は、社内の施策に加え、企業連携で実践を広げる取り組みなどへの参加について、インタビューでお伺いします。
-「仕事と介護の両立支援」についてどんな取り組みをされてきたのか、その背景などもお聞かせいただけますか?
【東埜様】
弊社の仕事と介護の両立支援に対する考え方として、「エプソンで働き続けたい人が、ライフステージの変化に適応しながらキャリアを歩み続けられるよう、柔軟で働きやすい環境を作っていく」ということを大きく掲げています。
ライフステージの変化としては、育児や療養などさまざまありますが、介護を担う社員は今後確実に増えていくという意識があり、会社としてしっかり取り組む必要があると考えています。
そのための施策の一つとして、2018年度から2021年度には、介護離職防止セミナーを年に複数回開催しました。社員が介護に関する社内外の制度を理解し、急な介護リスクに備えられるようにすることを目的としており、のべ560名が参加しました。
ただ、回を重ねる中で、開催日程が限られるため時間制約がある社員の参加が難しいことや、家族にも知っていてほしい内容だけれど共有が難しい、といった課題が出てきました。
そこで2022年度からは、いつでも視聴可能で、家族が視聴しても良い、という動画セミナーを導入し、各自で学んでもらえるようにしました。
また、社外の相談窓口も設け、この2つについては毎月全社広報でお知らせをしています。
– 2018年からしっかりと取り組まれ、全社に向けて発信もされていること、素晴らしいですね。
そうした中、2023年には管理職向けの「仕事と介護の両立支援」セミナーを実施されました。どのような課題感から検討を始められたのでしょうか?
【東埜様】
弊社では2022年度から「ダイバーシティ・マネジメント研修」と題し、管理職の受講必須科目として毎年1つ実施をしています。
緊急性が高いと思うテーマや「これは管理職に知っておいてほしい」と思う項目を決めて実施しているのですが、2023年度は介護をテーマにしようということになりました。
今後、ビジネスケアラー(仕事と介護を両立する人)の数が確実に増えていくと分かっている中で、弊社の管理職は、介護についてのリテラシーが高いとは言えないという課題感があり、チェンジウェーブグループの研修導入に至りました。
– ありがとうございます。「介護」をテーマに取り上げようと思った背景をもう少し詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか?
【 谷様】
実は全社アンケートで「(介護について)漠然とした不安を抱えている」という意見が見られるようになってきており、社員に課題感があることを把握できていました。
介護については、実際に当事者になる可能性も高く、部下から相談を受けることも多いと予想される管理職層への対処が大切であり、まずは管理職のリテラシーを高めることが必要だと思いましたので、受講必須科目のテーマに決定しました。
ただ、介護についての学習は概念的になったり、複雑で分かりにくくなったりしがちな部分もあります。
分かりやすく説明しつつも、私たちとして1番伝えたい、介護が始まった時に「全てを自分だけで抱え込む必要はない」ということを社員にどのように伝えたらいいのか悩みました。
そこで、自分たちの目指す方向性と合致する外部のプロを呼ぼうということになったのです。 様々なセミナーを受けて検討したところ、チェンジウェーブグループのサービスに巡り会い、介護について分かりやすく伝えてくれる点、仕事を続けることを軸に具体的な情報まで話してくれる点で良いと考えました。
– セミナーを受けてくださった社員の方々からの反応はいかがでしたか?
【東埜様】
好評でした!理解度は「よく分かった」「分かった」を合わせると99%以上、ほぼ100%という結果でしたし、満足度も90%以上で、これまでのセミナーと比べてもかなり高い数値になっているかと思います。
数としては、受講の対象者1284名中1027名が受講し、受講率80%と多くの管理職に受けてもらうことができました。
セミナーを受けた社員から「部下にも展開した」「家族に話した」という連絡もありました。そういったフィードバック、感想をはっきりとした形でもらうことはなかなかないので、とても良い研修になったと思っています。
【谷様】
「具体的に何をすればいいのか、何が必要なのか、といったことを教えてもらったので、部下に相談されても自信を持って答えられる」と言った感謝のチャットを直接もらったこともあります。マインドセットが変わったと思います。
– セイコーエプソン様は2024年からECC(※)に参加してくださっています。社内外問わず、今後はどのような取り組みをされていきたいと考えておられますか?
※ECC 「Excellent Care Company Club」の略。企業横断で「仕事と介護の両立支援」の実践に取り組むコンソーシアム。
【東埜様】
介護だけでなく、DE&I推進全般に言えることですが、他社がライバルになるという話ではないと思っています。
良い事例を共有することが非常に大切ですし、お互いに吸収し、それぞれの企業で生かしていけたらと思い、ECCに参加しました。学び合って盛り上げていきたいと思っています。
-ECCでは、「仕事と介護の両立」を推進される方々が何を課題に感じているか、実践のために何が本当に大切なのか、というところが議論・試行されていて、参加されている皆さまが育てるコミュニティだと感じています。ありがとうございます!
さて、 2025年4月には 改正・育児介護休業法が施行されます。従業員の方々に対する早期・事前の情報提供などが義務化されますが、今後の取り組みとして検討されていることがありましたらご紹介ください。
【東埜様】
はい、法改正の範囲については今年取り組むべき必須のこととして進めています。
その他にも、今年セミナー対象であった管理職から「一般社員向けの教育も必要なのではないか」という意見がありました。
私たちもその必要性は感じており、管理者だけではなく、一般社員向けの研修についても計画を立て始めているところです。
また、従業員が情報を確実に得られるよう、社内のイントラネット上で「ここを見れば介護に関することは何でも分かる」という状態にしていきたいですね。
まだ整理できていないところもありますが、相談窓口やウェブセミナーについてもさらに活用してもらいつつ、少しずつ充実させていけたらと思っています。
– 改善しながら取り組みを確実に前に進めておられ、大変参考になりました。
本日は貴重なお話をありがとうございました。
◯当社では管理職向け・人事向けなど対象者別の仕事と介護の両立支援セミナーや、介護プロによるテーマ別セミナーなど、リクエストに応じた内容のセミナー研修を行っております。
詳細についてはこちらよりお問い合わせください。
ビジネスケアラー支援なら
LCATにお任せください
診断・ラーニング体験
研修・セミナー体験はこちら